
● IRON / アイロン
監督:中野裕之(Hiroyuki Nakano)
日本 / ドラマ / 2005 / ‘14”57
現代に失った一途で不器用な日本男児の潔白さを監督独自の視点で表現。シンプルなあらすじの中に男の美学が凝縮された入魂作。
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今年の5月27日第59回カンヌ国際映画祭に出品され、
「カンヌ映画祭ヤング批評家賞」を受賞した作品。
監督はこれまで映像作家として
さまざまな形態で世の中を沸かせてきました。
その詳細は
ココで確認することができます。
いままでの映画は観てますが、短編作品は恥ずかしながら
今回はじめて観させていただきました。
その感想とは「彼の活動の中心はやはり映像にある」ということです。
職人というより芸術家という言葉がしっくりきます。
そのクオリティの高さは誰にも真似できないばかりか
美的感覚に優れていて、上質なモノを知る者だけが成せる
“技”いや“感性”をみせつけられるのです。
そこに余計なものは必要ないということが
この作品を観れば納得できるでしょう。
いままでの活動内容をみればわかるように
彼はざまざまな表現方法を試みて追求し続けています。
その類稀なるチャレンジ精神とスマートさを
併せ持ってはじめてそれを可能にするのです。
この柔軟性はどの世界で生きていくにも
時代を創っていく人にとって欠かせないセンスなのでしょう。
今回の内容は一言でいうと「日本男児」。
世界を意識した作品といっていいでしょう。
もしくは西洋かぶれした現代日本人へのアンチテーゼ(反定立)。
三島由紀夫を感じさせます。
そこまでいうと大袈裟になるのでしょうが、
決して「過激」ではなく「静寂」から生まれる
日本人独特の文化・精神を心の中に思い起こすでしょう。
人を表現するうえで「竹を割ったような性格」って
今あんまり使わなくなってませんか?
それに「自分、不器用ですから」とか
「古いタイプの人間なもので」なんて
高倉健でもいわない時代になってしまったでしょ。
作品ではあえて時代設定を避けていますが
日本人なら昭和な匂いを感じ、
日本をよく知らない外国人の方が作品をごらんになれば、
少しは感じるものがあるでしょう。
ストレートでシンプルであることの難しさを
アイロン(笑)で表現するなんて面白いし。

元山
プログラムN-Aより…
上映:8月6日(日)16:00〜
大阪特別プログラムより…
上映:8月6日(日)18:00〜
※18時の回は中野監督の舞台挨拶も予定しています!

● Eat Rice / 家族の団らん
監督:Angela How
シンガポール・アメリカ・オーストラリア/ ドラマ / 2004 / ‘13”00
祖母、母、娘の女3人は、ラジオドラマに耳を傾けながらいつものように昼食をしていた。そこに突然帰宅した父。
男2人と食卓を陣取り、平和な時間を奪い去っていく。
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『家族でごはん』
おばあちゃん、お母さん、そして娘の女3人での平穏な昼食時間。その平和を当たり前のようにぶち壊す身勝手な父親。「Eat Rice / 家族の団らん」では、女性の「穏やかさ」に対する男性の「激しさ」や、女性が与える「無条件の愛」に甘える男性の「わがまま」といった、男女の相反する性質が「家庭」というテーマを通して巧みに表現されています。
その「家庭」の核であるLDKに焦点が充てられた本作品は、まるで家の模型を垂直に切り取り、LDKを真横から映し出したようなショットや、異なった照明の色で効果的に表現された各々の部屋の雰囲気など、その撮影方法もとてもユニーク。建築的な空間の捉え方という印象を受けるのですが、それもそのはず、Angela How監督は、大学で建築を学び、その後建築士として活躍していたという経歴の持ち主なのです。
ところで、英語と日本語のタイトルの違いに、「ん?」と首をかしげた方もいるのでは?実は、中国語で「Rice」とは、中国人の主食である「ごはん」という意味のほかに、一般的な「食事」を表す総称としても使用されます。それには、「落ち着き、安らぎ、安定」といった言葉の比喩的な意味も含まれているとか。だから、「家族でごはんを食べる」という行為は、「家族と安らぐ」ということ、すなわち「家族の団らん」ということになる訳ですね。
このように中国では、食事の場は「家族の団らん」の場として認識されていて、食事を通した家族のコミュニケーションがとても重視されています。そうした中国人の食事に対する姿勢が、「Eat Rice / 家族の団らん」を通して体感できるはず。そして、観終わった後には、美味しい中華料理がきっと食べたくなりますよ!
プログラムAI-Cより…
上映:8月4日(金)17:00〜